2012年09月30日

9月も終わり

 今年は母が入院したり、ここには書けないけどゴタゴタすることが多くて落ちつかなかったが、だいぶ落ち着いてきた。
 母はほぼ全快。医療ってものを色々考えさせられた。最初の手術のとき、前処置の気道カニューレ留置で失敗。気管を突き破り食道に穴があき、さらに肺気胸を併発。手術続行不能になって中止。失敗した先生はオロオロ、オロオロ。医療チーム総出でごめんなさい。「えーっ!」とは思ったけど、怒っても治らないし、自分だって魚をさばくときたまに失敗する。医者だって同じだろう。
 別の病院に救急搬送して処置を受ける。再び戻ってきて再入院。さらに入院中にノロ・ウィルスに感染(どうしてそうなる?)、そして手術失敗のときの傷は治癒。しかしがんはそのまま。一ヶ月時間を無駄にする。この病院スタッフは自分らの手におえないと判断し、今度は国立総合病院に転院。
 でも結果的にはそれでよかった。最初の病院で行う予定だった手術よりハイレベルな手術を受けられた。

 がんという病気は別の生命体に寄生されるようなもので、ぶった切って治すのが基本。「手が罪を犯すなら手を切り取って炎の中に投げ入れよ。あなたすべてが炎に焼かれるよりはましである」という黙示録みたいなのとかわらない。ぶった切る技術は高度に発達しているが、切り落としたものは永久に失われる。しかしそれしか方法はない。嫌な病気だ。
 最初の病院からは母の退院後、再び謝罪に来てくれた。治ったことだし、もうわだかまりはない。

 手術のあと母が神秘体験していた。ベッドで夜目を覚ましたら、となりに兄が寝ていたのだという。しかもその兄の横には墓石が置かれていたという。母親は夢を見ているという自覚はなくて、普通に目をあけてそれを見たと私にいう。アストラル界を肉体にいながらにして見ていた。
 このときの母親の意識状態は普通ではなくて、譫妄状態というものらしい。手術後そういう状態が起きうることは事前に医師から説明を受けていた。家とは異なる環境で寝たきりになると、譫妄状態に陥りやすいという。
 私は母に「ずいぶん世話になったんだから、今のうちに電話するなり手紙を書くなりして、感謝を伝えておいたほうがいいよ」とだけ言っておいた。
 この母の兄に当たる人は、母が国立病院に入院する前日、見舞いに来てくれていたのだった。高齢で末期癌で(といっても多少は行動できる)、顔には死相が出ていたので先は長くないと思っていた。手術から約一ヶ月、母が退院するほんの少し前、兄は先に逝った。
投稿者: 大澤義孝  | オカルト