
別の薬酒をためしたくて、佐賀県の温心堂薬局から三種類の生薬ミックスをお取り寄せ。
写真左から……
1.周公百歳酒。前に作ったものとは一部生薬が異なる。
2.楊貴美酒という女性専用の薬酒。楊貴妃が愛用したという伝説がついていて、冷え性とか便秘とか生理痛とか婦人病向けの生薬が多数配合されている。
3.複方枸杞酒。クコは目にいいらしい。クコとクコの根の皮が主成分。
更生堂の周公百歳酒は3200円だったけど、温心堂はこの三品で2500円。周公百歳酒の生薬は量もずっと多かった。生薬は店によって値段が大きく違う。更生堂も他と比べればさほど高くはないんだけと、横浜中華街という観光地のど真ん中にある店なので強気なのか決して安いとはいえない。
3つの袋はそれぞれブレンドされている生薬がかなり異なるのだが、その香りは私の鼻だと大きな差は感じない。
机の上に3つの袋をまとめて置いてたら、うちの猫が机に飛び乗りクンカクンカ熱心ににおいを嗅ぎはじめた。いつまでも袋から離れようとしない。
ものはためしと3つの袋を離して床に並べて猫の反応を見た。猫は端から順番に一つずつにおいを嗅いで行き、最後の袋でガリガリ/噛み噛みを始めた。枸杞酒の生薬が気にいったらしい。マタタビ科の生薬が含まれているのかと調べてみたけど、そういうわけではないらしい。
この枸杞酒は四種類の生薬から成る。クコシ、ジコッピ、オンジ、タイソウ。クコシは周公百歳酒にも含まれている。クコシに反応しているのなら、周公百歳酒をガリガリやってもいいはずだ。楊貴美酒とはタイソウ(ナツメ)が重複してるからこれも違う。ジコッピはクコの根だからクコシに反応せずにクコの根に反応するだろうか。可能性は残るがこれも違うのでは……。
枸杞酒の中で、他の薬酒と重複しない生薬はオンジだけ。オンジはヒメハギ科イトヒメハギの根。唾液や気管支粘膜の分泌物増加作用があるという。
猫が惹きつけられるものとしてマタタビが有名だけど、他にも異常な関心を示すものとして虫さされ薬のキンカンがある。個体差があって反応しない猫もいるらしいが、うちのは強く反応する。
猫がキンカンのにおいをかぐと唾液や鼻水がドバドバ分泌され、くしゃみをして鼻汁を飛ばしたりするのに、ほっておくといつまでも嗅ぎ続ける。この香りが大好きなのだろう。嫌いなにおいなら逃げるはずだ。
唾液分泌を促すオンジは、キンカンとおなじように猫を惹きつけるのかもしれない。
猫は嗅覚は敏感だが味覚はにぶいといわれる。うまそうなものの香りを嗅ぐと、唾液がでる仕組みになっているのだろうが、逆に唾液が出る香りイコールおいしいもの(重要なもの)と認識していることもありそうだ。
うちの猫は似たような猫缶でもメーカーが変わるとプイと食べなくなる食わず嫌い王。私がにおいを嗅いでもなにが違うのかさっぱりわからないのだけど、猫にとっては大きな差があるらしい。
香りを嗅いだとき唾液が出るか出ないかで食うか食わぬかの判定が決まるのかもしれない。