2015年06月03日

梅シロップだの薬酒だの

 また梅仕事の季節がやってきた。今年の梅は店にならぶのが遅いみたいだ。今日はさっそく梅シロップを漬けた。夏に向けての薬もかねている。梅シロップは梅と同量の氷砂糖をいっしょに漬け込むだけで簡単にできるのだが、コツを知らないとけっこうな確率で失敗する。発酵して味が悪くなる。発酵を押さえるためにいくつか裏技があって、酢やホワイトリカーを少量添加してそれらの防腐効果を利用する方法。梅にフォークで穴を開けたり、梅を凍らせたりしてシロップが採れるまでの時間を短縮して発酵する時間を与えないという方法もある。しかしもっとも簡単で、おいしく作る方法は、今この時期に作ることだ。理想的には5月末までに、遅くても6月節入り前には仕込みを完了するようにする。そうすれば、変な裏技を使わなくても梅と砂糖だけでおいしくできる。梅酒や梅干しは、この時期をはずして6月中旬くらいでも充分まにあう。

 今年は梅酒も仕込む予定だけど、杏入りの梅酒にするかとか、余った杏であんず酒も作るかなどと考えているうちに、薬酒を作ってみたくなった。薬酒とは養命酒みたいなものね。18種類の生薬をホワイトリカーにつけ込んでつくる周公百歳酒というのが有名。問題は生薬の入手で、通販で買えるとはいえ、店によって値段が大きく違う。安いほうがいいけど、薬効が弱くて安いだけなら意味がないし、薬なのであまり信用おけない店で買うのもどうかという気がする。
 ものはためしと近所の漢方薬屋さんに出かけた。店先のショーウィンドウの中に、朝鮮人参を漬け込んだ瓶や、えたいのしれない骨を砕いたようなもの、マムシの黒焼きとか、木の根っこみたいなやつとか、あやしい生薬が並んでいる。この店はこれまでに一度も入ったことがない。ずっと漢方薬屋だと思っていた。
 店に入ると、無愛想な薬剤師が出てきて、「なんでおまえがこの店に入ってくる???」といった顔をしてたっている。私はまだ一言も発していない。薬剤師は無言。
 手短に「薬酒をつくりたいんだけど、どうよ」って尋ねたら、薬剤師は開口一番、「うちは漢方薬扱ってないんで」という返事。「えっ?、じゃあ、ショーウィンドウのあれはなんなのよ?」って尋ねたら、「あれはディスプレイだからぁ……」。
 わかったよ、もういいよ、正直すまんかったよ、この町に期待した俺がバカだったよと店を後にした。
 中華街の漢方薬屋に行けば手に入るはず。
投稿者: 大澤義孝  | 健康酒