
正月あけて仕込んであった寒卵酒(かんたましゅ)なるものを蔵出し。これは卵と砂糖と焼酎をまぜあわせ瓶につめて半年以上寝かせてつくる卵リキュール。梅を焼酎に漬けて作る梅酒はともかく、卵を焼酎につけるというのは常識外だ。はじめて存在を知ったとき、ちょっとキモチ悪いというか、腐ったりするんじゃないかという疑問がわいた。しかしなんか面白そうである。
寒卵酒は大寒の日(1月20日ごろ)に採れた新鮮な卵を使って作る。そんなわけでもうそろそろ仕込みに適切な日が訪れる。
私が仕込んだのは大寒とはほぼ正反対の6月。梅酒作りが終わったあとの勢いで。作るには一番不適切な時期。おいしいかどうかもわからないので、小さな瓶に少量だけ作り冷蔵庫に保管した。仕込み時点では超甘口卵酒。卵特有の生臭さも残っていて、バニラエッセンスをたらしたくなったがやめておいた。私は基本には忠実なの。
焼酎(ホワイトリカー)は35度もあるし、冷蔵庫に入れておけばまず腐らないが、ほとんど熟成が進まないようだ。夏がすぎたあたりから室温で放置。熟成が急速に進みだし、黄色っぽい色は白っぽくかわり、しゃぶしゃぶしていたのはとろっとクリーミーに変化。さらにそのままお正月まで放置していた。
熟成された寒卵酒はクリーミーでまろやかな甘さ。生臭みは消えている。卵本来の油分が乳化してまったりした味わい(これが寒卵酒の醍醐味だと思う)。牛乳で割ればきっとプリンの味になると思われる。だからして寒卵酒はプリンの味わいともちょっと違う。
口あたりがよくてとくに女性には好まれると思う。ショットグラスでクイクイいけるが不思議と酔わない。
作り方
卵 3個
ホワイトリカー 225ml
グラニュー糖 100g
400〜450mlの寒卵酒ができる。
基本的には大寒の日に新鮮な卵を調達して作る。
全卵を割りほぐし砂糖をくわえよくまぜ、ホワイトリカーを少しずつ加えさらにまぜる。泡は除去する。瓶につめて密閉し、暗い場所で室温で寝かせ10ヶ月後に飲み頃。最初の何日かは毎日瓶をゆすってまぜる。
本来はレシピの分量を8倍した量で作る。卵24個、ホワイトリカー1.8L、グラニュー糖800グラム。