母の見舞いに行くときは地下鉄を使う。途中の天神橋筋六丁目の車内アナウンスで「なにわの湯」というスーパー銭湯のCMが流れる。行ってみた。
この銭湯は斎場と葬儀場のすぐ隣にある。さらにその近くに病院もある。生まれたり死んだりする場所としての病院。死んだら葬儀場と斎場。
これらと銭湯は一見無関係にみえるかもしれないけど、私には関連してるように見える。生まれてきたら産湯をつかう。葬式の前にはゆかんする。
三途の川は忘却の川で娑婆の垢落としをする場所。生まれてくるときははだかだけど、お風呂もはだかで入るもの。
お風呂というのは誕生と死にまつわる場所と比較的近しい場所なのだ。病院とやり方は違うけど癒やしの場所である。葬儀場というのも癒やしの場所。斎場もある意味、癒やしじゃなかろうか。きれいさっぱり塵芥に還元してくれるという意味で。
あーそうか。「癒やし」ってのは苦を忘れさせてくれるってことなんだな。疲れや苦痛や嫌な記憶を忘れさせてくれるところが癒やしの場所。
えーと、銭湯そのものの評価は、普通のスーパー銭湯。掃除は行き届いていて衛生的。天然温泉と銘打っているけど、これに過度な期待をする人はいないだろう。駅から少し離れていて、駅前にめだつ案内が出てないので、はじめてだと場所がわかりにくいかも。