2016年08月28日

寒卵酒ふたたび

 今年の1月の終わりに寒卵酒を仕込んだ。前回は少量生産だったが今回は標準量で。このとき鈴卵というちょっと上等な卵を使った。普通の卵より色が濃く、仕込んだ寒卵酒は濃いオレンジ色をしていた。気温が低いときは分離していたが、4月になると分離は消えて均質になりクリーム色に変化した。味見をするとまだアルコールのカドが取れていない。6月に味見したときは、前よりはカドがとれたがまだもう少し。たまごの生臭さも少しある。昨日味見するとカドも取れ生臭さも感じなかった。寒卵酒の熟成には6ヶ月ではまだ少し足りず8ヶ月目からが飲み頃らしい。
 高級卵で造った寒卵酒はおいしくなるのかどうかは分からなかった。普通の卵でつくったものと比べでもしないかぎりわからないだろう。普通の卵で造った寒卵酒はとっくに飲んでしまって残ってない。普通のたまごでつくったので充分ではないかな。できるだけ新しいたまごをでつくることが重要かもしれない。
 この日、今年仕込んだ梅酒の味見もしたのだが、寒卵酒というのはうまみを味わう酒だと思った。梅酒はもちろん酸味と香りを楽しむ酒。寒卵酒にはたまごのうまみと卵油のまったりした味わいがある。バニラアイスにかけてたべるのもおいしい。
 果実酒はみんな甘酸っぱい味と相場は決まっているし、梅酒があれば他の果実酒はつくらなくてもいいと思えるんだけど、寒卵酒は果実酒とはまったく別方向なので造る気になれる。
投稿者: 大澤義孝  | 健康酒

2016年01月28日

楊貴美酒を破棄

 去年の7月に仕込んだ楊貴美酒。ずっと寝かせていたのだけど捨てた。においがよくないのね。チンキのようなにおいがする。一度においを嗅ぐと、そのにおいがいつまでも鼻腔の奥に残る。幻臭のようにいつまでも消えない。それから緑がかった濃い茶褐色というのもなんかきもちがわるい。というわけで味見もせずに破棄。
 どんなに効く薬だろうが、薬酒にするならおいしいことが第一条件だと悟った。
 効き目を第一義に求めるなら、煎じ薬にして鼻をつまんで飲めばいい。生薬のエキスを抽出した顆粒の薬剤もあるからカプセルに入れて飲めばいい。薬酒にするというのは、やっぱり純粋に薬効のみを求めているわけではなく、呑む楽しみを求めているんだと思う。少なくとも私の場合はそういうことだったらしい。
 まずい酒は飲む気になれない。まずい酒を飲むくらいなら、まずいジュースやまずいシロップを飲むほうがましだ。まずい想いをして酔っ払いたくないのだな。バッドトリップしたくないもんね。

 それから前に仕込んだブランデー梅酒についても少々。
 ブランデーで梅酒を作るというのは、はやいはなしインチキ梅酒なんだと悟った。普通の梅酒は長く寝かさないとまろやかにならない。しかしブランデーで梅酒を作ると、すぐにまろやかな梅酒ができる。なぜかというと市販されているブランデーは、たとえ安物でもそれなりにまろやかになるくらいには熟成されている。それに梅を漬け込むのだから、長く寝かせなくてもまろやかな口当たりに仕上がるんだな。
 アル中一歩手前の大酒飲みは梅酒をつけてもできあがるまで待ってらんないわけ。そんなバカヤロ様にもってこいなのがブランデーに梅を漬ける裏技。早くエキスが抽出できるように梅を凍結させて漬けたりすれば一週間から二週間で、それなりに飲める梅酒のできあがり。
 味は決してまずくはないんだけど、ブランデーと梅果汁で作るカクテルと見なしたほうがいい。長く寝かせて味の変化を楽しむような性質じゃない。
投稿者: 大澤義孝  | 健康酒

2016年01月02日

正月は寒卵酒

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 正月あけて仕込んであった寒卵酒(かんたましゅ)なるものを蔵出し。これは卵と砂糖と焼酎をまぜあわせ瓶につめて半年以上寝かせてつくる卵リキュール。梅を焼酎に漬けて作る梅酒はともかく、卵を焼酎につけるというのは常識外だ。はじめて存在を知ったとき、ちょっとキモチ悪いというか、腐ったりするんじゃないかという疑問がわいた。しかしなんか面白そうである。
 寒卵酒は大寒の日(1月20日ごろ)に採れた新鮮な卵を使って作る。そんなわけでもうそろそろ仕込みに適切な日が訪れる。

 私が仕込んだのは大寒とはほぼ正反対の6月。梅酒作りが終わったあとの勢いで。作るには一番不適切な時期。おいしいかどうかもわからないので、小さな瓶に少量だけ作り冷蔵庫に保管した。仕込み時点では超甘口卵酒。卵特有の生臭さも残っていて、バニラエッセンスをたらしたくなったがやめておいた。私は基本には忠実なの。
 焼酎(ホワイトリカー)は35度もあるし、冷蔵庫に入れておけばまず腐らないが、ほとんど熟成が進まないようだ。夏がすぎたあたりから室温で放置。熟成が急速に進みだし、黄色っぽい色は白っぽくかわり、しゃぶしゃぶしていたのはとろっとクリーミーに変化。さらにそのままお正月まで放置していた。

 熟成された寒卵酒はクリーミーでまろやかな甘さ。生臭みは消えている。卵本来の油分が乳化してまったりした味わい(これが寒卵酒の醍醐味だと思う)。牛乳で割ればきっとプリンの味になると思われる。だからして寒卵酒はプリンの味わいともちょっと違う。
 口あたりがよくてとくに女性には好まれると思う。ショットグラスでクイクイいけるが不思議と酔わない。

作り方

卵        3個
ホワイトリカー  225ml
グラニュー糖   100g

400〜450mlの寒卵酒ができる。
基本的には大寒の日に新鮮な卵を調達して作る。
全卵を割りほぐし砂糖をくわえよくまぜ、ホワイトリカーを少しずつ加えさらにまぜる。泡は除去する。瓶につめて密閉し、暗い場所で室温で寝かせ10ヶ月後に飲み頃。最初の何日かは毎日瓶をゆすってまぜる。

 本来はレシピの分量を8倍した量で作る。卵24個、ホワイトリカー1.8L、グラニュー糖800グラム。
投稿者: 大澤義孝  | 健康酒

2015年07月21日

ウニクムという薬酒

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 ハンガリーに先祖捜しの旅をした方からいただいたおみやげで「ウニクム」というお酒。1790年、皇帝ヨーゼフ二世の健康のために献上された薬酒で40種類以上のハーブがブレンドされている。ヨーゼフ二世はマリーアントワネットの兄。ヨーゼフ二世は一口飲んで「ユニークだ」といったそうで、それがこの酒の名前の由来だという。
 このウニクムはオリジナルのものではなく、プラムが追加されているUNICUM SZILVAで、日本ではめずらしい品。緑色のボトルにはオークの樽とプラムが描かれている。
 いただいたその場で封を切り(喫茶店だったけどはばかりもなくw)、グラスにちろりとついでカンパイした。
 濃い茶褐色の液体で、薬草とカラメルの苦味が効いていて、加えてかなり甘い味で、養命酒や周公百歳酒にも通じる薬酒の香りだけど、漢方薬酒のそれとは少しちがってフルーティな香りとハーブの香りがミックスされた感じ。しかしたくさんの薬草をブレンドした薬酒は、東西を問わず、ある種、似たような味と香りになっていく傾向があるようだ。やっぱり似ている。
 そのまま飲んでもおいしいけど、苦甘く香り強く濃厚な味なので、バニラアイスにかけて食べるとよさそうだ。
 それからもう一つ、商品として売られているお酒はやっぱりおいしいです。さすがにホームメイドの酒とは一線を画するものがある。
投稿者: 大澤義孝  | コメント(0)  | 健康酒

2015年07月13日

楊貴美酒を仕込んだ

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 楊貴美酒を仕込んだ。「楊貴妃が侍医からの献上を受けて美容と保健のために日夜愛用したといわれる薬酒。女性専用の酒で当時の女官も密かに愛用したという」(「ほんものの漢方薬用酒」黒須ヒロ章/著)。
薬用酒についてくる神話は大切な有効成分の一つだったりする(笑)。
 ホワイトリカー35度だと薬酒として常用するにはアルコール度数が高すぎるので、25度の焼酎を使った。チューハイを作るときに使う焼酎で、ホワイトリカーよりはだいぶまろやかでそのまま飲めないこともない焼酎。
 仕込んだ直後は薄い褐色だが、一日くらいすると濃い紅茶色になる。二日ほどして味見をしてみると、ハッカの風味があり苦味が強い。もうすこし甘いのかと思っていたが違った。砂糖とハチミツを入れて味を調整すると、だいぶのみやすくなる。まあだいたいわかったので、またしばらく寝かせて生薬成分が充分に抽出されるのを待つだけだ。

 余談だけど今年漬け込んだブランデー梅酒。味見したらずいぶん丸い味にかわっていておいしくなっていた。ブランデーで梅酒を作るのはかなりよい選択だと思う。
投稿者: 大澤義孝  | 健康酒

2015年07月07日

猫が好きな薬酒とは

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 別の薬酒をためしたくて、佐賀県の温心堂薬局から三種類の生薬ミックスをお取り寄せ。
写真左から……
 1.周公百歳酒。前に作ったものとは一部生薬が異なる。
 2.楊貴美酒という女性専用の薬酒。楊貴妃が愛用したという伝説がついていて、冷え性とか便秘とか生理痛とか婦人病向けの生薬が多数配合されている。
 3.複方枸杞酒。クコは目にいいらしい。クコとクコの根の皮が主成分。

 更生堂の周公百歳酒は3200円だったけど、温心堂はこの三品で2500円。周公百歳酒の生薬は量もずっと多かった。生薬は店によって値段が大きく違う。更生堂も他と比べればさほど高くはないんだけと、横浜中華街という観光地のど真ん中にある店なので強気なのか決して安いとはいえない。

 3つの袋はそれぞれブレンドされている生薬がかなり異なるのだが、その香りは私の鼻だと大きな差は感じない。
 机の上に3つの袋をまとめて置いてたら、うちの猫が机に飛び乗りクンカクンカ熱心ににおいを嗅ぎはじめた。いつまでも袋から離れようとしない。
 ものはためしと3つの袋を離して床に並べて猫の反応を見た。猫は端から順番に一つずつにおいを嗅いで行き、最後の袋でガリガリ/噛み噛みを始めた。枸杞酒の生薬が気にいったらしい。マタタビ科の生薬が含まれているのかと調べてみたけど、そういうわけではないらしい。

 この枸杞酒は四種類の生薬から成る。クコシ、ジコッピ、オンジ、タイソウ。クコシは周公百歳酒にも含まれている。クコシに反応しているのなら、周公百歳酒をガリガリやってもいいはずだ。楊貴美酒とはタイソウ(ナツメ)が重複してるからこれも違う。ジコッピはクコの根だからクコシに反応せずにクコの根に反応するだろうか。可能性は残るがこれも違うのでは……。
 枸杞酒の中で、他の薬酒と重複しない生薬はオンジだけ。オンジはヒメハギ科イトヒメハギの根。唾液や気管支粘膜の分泌物増加作用があるという。

 猫が惹きつけられるものとしてマタタビが有名だけど、他にも異常な関心を示すものとして虫さされ薬のキンカンがある。個体差があって反応しない猫もいるらしいが、うちのは強く反応する。
 猫がキンカンのにおいをかぐと唾液や鼻水がドバドバ分泌され、くしゃみをして鼻汁を飛ばしたりするのに、ほっておくといつまでも嗅ぎ続ける。この香りが大好きなのだろう。嫌いなにおいなら逃げるはずだ。
 唾液分泌を促すオンジは、キンカンとおなじように猫を惹きつけるのかもしれない。

 猫は嗅覚は敏感だが味覚はにぶいといわれる。うまそうなものの香りを嗅ぐと、唾液がでる仕組みになっているのだろうが、逆に唾液が出る香りイコールおいしいもの(重要なもの)と認識していることもありそうだ。
 うちの猫は似たような猫缶でもメーカーが変わるとプイと食べなくなる食わず嫌い王。私がにおいを嗅いでもなにが違うのかさっぱりわからないのだけど、猫にとっては大きな差があるらしい。
 香りを嗅いだとき唾液が出るか出ないかで食うか食わぬかの判定が決まるのかもしれない。
投稿者: 大澤義孝  | コメント(0)  | 健康酒

2015年06月26日

周公百歳酒で作る薬膳スープ

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 周公百歳酒を使って鶏肉の薬膳スープを作った。
●材料(2人前)
 鶏もも肉    1枚
 干ししいたけ  1枚
 くこの実    大さじ1
 生姜      スライスを3枚ほど
 ネギの青いとこ 一切れ
 ○調味料
  ほししいたけのもどし汁  大さじ1
  くこの実のもどし汁    大さじ1
  周公百歳酒   大さじ2 (砂糖無添加のものを使用)
  日本酒     大さじ1
  塩       少々
  コショウ    少々
  味の素     少々
●作り方
 干し椎茸はもどしておく。それを四等分にする。
 くこの実も水につけてもどしておく。
 鶏肉はさっとゆでる。完全に火を通さなくてもよい。表面が白くなればそれでいい。
 どんぶりにゆでた鶏肉、干し椎茸、くこの実、ネギの青いとこ、しょうがスライスを入れる。
 そこに調味料をすべて入れ、肉が隠れる程度に水を加える。
 この時点で汁の味見をして、塩加減を確認する。
 どんぶりにラップをかける。少しだけ息抜き穴をあけておく。
 蒸し器にどんぶりを入れて1時間半蒸す。煮るな。蒸すのだ。
 食べる直前に、ネギの青いところやショウガスライスは取り出して捨ててよい。
 冷蔵庫にあった骨なしモモ肉を使ったが、スープには骨つき肉のほうが適している。手羽元肉がちょうどよいかも。
●食べた感想
 周公百歳酒は苦みのある酒だし、レシピも適当だし、不味かったら悲惨なので少量で作ることにした。あまり期待していなかったけどかなりおいしいものになった。とくに風邪で寝込んだときに、このスープが出てきたらとてもおいしくいただけるはず。周公百歳酒の苦みも不快には感じない。
 とはいえ、生薬の香りただよう薄塩味の薬膳スープは、ごはんのおかずには向かない。味のついた炊き込みごはんとか、ギョウザや小籠包などとなら合うと思う。
 このスープは辛くもなく、やさしい味だけど、食べるとだくだく汗が出る。アルコールは蒸発して飛んでいるから、周公百歳酒の生薬成分によるものとしか思えない。
●少し見えてきた周公百歳酒の効能
 周公百歳酒を飲み始めて数日。この酒は体を温める働きがある。最初は気にならなかったが続けて飲んでいると、ますますその性質が強くなる感じ。わずかな量でも今の季節だと汗が流れ出す。
 こういう酒は、中医学でいうところの「寒」の体質の人が飲むのがいい。「熱」の体質の人や、「寒」でも「熱」でもない中庸の健康な人は、いくら健康酒だと歌われていようが毎日常用するのはやめたほうがいいと思う。夏ははずして冬にのむといいような気がする。あるいは夏バテのときに少し飲むとか。そんなわけで周公百歳酒を飲みつづける実験は、このあたりでひとまず休みにしよう。
投稿者: 大澤義孝  | コメント(0)  | 健康酒

2015年06月24日

周公百歳酒は薬膳料理につかえるかも

 周公百歳酒はうめぇー。クセになる香りと味。うちの連れによると「飲んでから寝ると、起きたときすごくおなかが空いている」という。効能はまだよくわからんけど「なんかいい感じ」というのは二人とも共通している。
 この酒は十全大補湯という10種類の生薬ブレンドに、さらに8種の生薬を加えた18種類の生薬ブレンドからなる。
 十全大補湯はそれぞれ4つの生薬をブレンドした四君子湯と四物湯の混和に、さらに二つの生薬を加えた10種類の生薬ブレンドからなる。四君子湯と四物湯を二つあわせて酒に漬けた薬酒を八珍酒と言う。
 四君子湯 + 四物湯 = 八珍酒
 四君子湯 + 四物湯 + オウギ + ケイヒ = 十全大補湯
 十全大補湯 + 八種の生薬 = 周公百歳酒

 十全大補湯は薬膳料理にも使われる。生薬を水で煮出したあとに、鶏肉や豚肉を入れたスープを作るらしい。ずいぶん前のことだけど、横浜中華街で薬膳用の生薬セットを買い求め、説明書に従って鶏肉のスープを作ったことがある。激苦でまずくて食えたものじゃなかった。しかし薬膳料理は元々あくまでも薬であり、病気のときや体力をつけたいときに食べるものなのだろう。だから見かけに反してそんなにうまいものではないのかもしれない。だいたい十全大補湯というのは、かなり重症の虚弱体質の人に処方されるブレンドらしい(ニワカの知識なのでまちがってたらすまん)。
 あまりのまずさにこりごりで、その後二度と薬膳料理には手をださなかったんだけど、ここにきて、周公百歳酒をスパイスにして薬膳スープを作ったらうまそうな気がしてきた。
 ようは生薬の量の問題ではなかろうか。大量の生薬をぐつぐつ煮込んで苦くてまずい煎じ薬を作り、それで鶏肉を煮ても不味いに決まっている。うまいわけがない。生薬の量が多すぎ薬の味も濃いすぎる。酒にしたものを適量使えば、味のバランスをとりやすいはず。ためしてみるか。
投稿者: 大澤義孝  | コメント(0)  | 健康酒

2015年06月22日

周公百歳酒をのみはじめた

 つい先日、この薬酒について詳しく書かれた古い本を図書館で見つけた。『「簡単にできるほんものの漢方薬用酒」黒須廣章/著 健友館』。多分、国内のネットで流布している周公百歳酒の作り方は、この人の本が元ネタみたいだ。薬酒を作ったり飲んだりするために必要な基礎知識がきちんと説明されている。ネットの情報はどれも断片的で、よくわからない点が多々あったのだけど、この本を読んだらだいたい謎は解けた。やっとまともな情報ソースが見つかった。

 周公百歳酒ができあがるのは、今月末か来月末ごろの予定だったが、それはよりおいしい酒に熟成させるために必要な時間であって、薬として飲むだけなら二週間でも充分ということが本を読んで判明。味より効き目をしりたいという欲求が勝った。(とはいえ今でもかなりおいしい。薬の味だから好き嫌いは分かれると思うけど)。瓶の中の生薬をすべて漉し取って、薬酒を別の保存瓶に移し替えた。

 一回20ミリリットルを、一日2〜3回、食前に服用。ショットグラスに少量そそいで飲むんだけど、35度のホワイトリカーで作ったのは失敗。アルコールが強すぎてよっぱらう。酒量を半分にして水で倍にうすめればちょうどいいのだけど薬成分も少なくなってしまう。しかし毎日飲むなら少なくてもいいらしい。むしろ薬酒は生薬を薄めに作って飲みやすくおいしい酒に仕上げることが大切だと黒須氏は言う。まずくて飲まなくなってしまえばそこでおしまいだもんね。更生堂薬局のおばちゃんが「養命酒には生薬はほんの少ししか入っていない。周公百歳酒のほうがはるかに多い」といってたのもそういうことだな。養命酒はおいしさ優先で作ってあるんだよ。きっと。まずかったら会社もつぶれてしまう。

 で、周公百歳酒の効き目なんだけど、二日ほど飲み続けただけなので、まだよくわからんし目立った効能も感じないのだけど、なんとなくよい感じ。精神の安定度が高まるというか、肉体的な疲れが減るというか……、まあ今の時点ではあまり言語化するのはやめておこう。言葉を増やすと嘘っぽくなる。

 ところで漢方薬酒は基本的に「良薬は口に苦し」でまずいものらしい(だから砂糖やハチミツなどを入れたりして味を調整する)。様々な漢方生薬の95%は不味いのだそうな。ところが病気の人がその病気用に処方された薬を飲むとおいしく感じることがあるという。苦い薬が甘く感じたりする。そして病気が治るにつれて、苦く不味く感じはじめる。
 私は今のところ病気は無いようなんだけど、周公百歳酒がおいしく感じるということは、やっぱりどこか弱っている臓器があるのかもしれんな。
投稿者: 大澤義孝  | コメント(0)  | 健康酒

2015年06月13日

ブランデー梅酒の味見

 ブランデー梅酒の味見をした。梅を凍結させて漬ける速成方式で少量作ったものを味見。最初から何年か寝かせたような梅酒の味がする。あくまでも寝かせたような味だけど。ほんのりスモーキーなブランデーの香りが梅とまじわってそのように錯覚させるのかもしれない。ブランデーと梅は相性がいいというのは本当みたいだ。
 しかしブランデーは葡萄から作られたものだから、これは葡萄汁と梅汁とアルコールのカクテルみたいなものだな。本来の梅酒とは別物だと思う。だけど、これはこれでおいしい。また短期間で飲める梅酒に化けてくれるのは飲んべえにはうれしい話であらう。
 ブランデーに限らず、最初からおいしく飲める酒(すでに熟成済みのまろやかな酒)で梅酒を漬けると、普通の梅酒のように一年以上寝かせなくても、それなりに熟成が進んだ酒のように感じるのだろう。
だけどなんかだまされているような気がする(笑)。
投稿者: 大澤義孝  | 健康酒

2015年06月08日

ブランデーで梅酒を仕込む

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 ブランデーで梅酒を漬けるとおいしいという話なので試しに仕込んでみた。味はまだ不明。ブランデーはサントリーV.Oを使った。飲んだことが無い酒で、飲んでみるといかにも安酒って感じの味。しかし梅酒にすればすばらしくおいしくなるという噂。安酒といっても梅酒作りに定番のホワイトリカーの倍の値段なんだから、おいしくなってほしいなあ。
投稿者: 大澤義孝  | 健康酒

2015年06月07日

周公百歳酒の味

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 薬酒ができあがるのは二ヶ月後だけど、はたしてそれだけ待つ価値があるのかどうか、味見してみることにした。2日目で味見するというのも気が早い話だけど、ホワイトリカーは真っ黒に染まっているし、それなりにエキスは抽出されているのではあるまいか。
 少量汲み上げて小鉢に取る。茶色の液体。香りはハーブのようでよい香り。まだ砂糖は入っていないけど、ほろ苦い味、かすかな酸味と甘みもある。ハチミツを二三滴、砂糖をひとつまみ入れて指先でよくかきまぜたのち飲んでみた。おいしい!思っていたよりずいぶんおいしい!
 取説に「味・香り・効能の三つがそろた中国最古の薬酒」と書かれているだけのことはある。効能はまだわからないけど、これだけおいしいなら作っても無駄になることはない。長期間寝かせて熟成が進めばますますおいしくなるに違いない。
 ハーブのリキュールとして、カクテルを作ったり炭酸水で割って飲んだりもできそう。
投稿者: 大澤義孝  | 健康酒

2015年06月05日

周公百歳酒を仕込んでみた

P1040357.JPG 周公百歳酒の生薬を購入するため横浜中華街の更生堂薬局に行った。漢方薬ならなんでもそろう店。めあてのものはすぐに見つかった。18種類の生薬を刻んでまぜたもので、140グラムで3200円。
 生薬ミックスの内容は、高麗人参など植物の根を乾燥させ刻んだもの、クコの実など果実を乾燥させたもの、キノコを乾燥させたものなどだいたいは植物由来の生薬からなっている。一つだけ動物由来の生薬もはいっていて、それは亀板(キバン)と言う、亀の甲羅の腹の部分を乾燥させ砕いたもの。
 においを嗅いでみると、いかにも漢方薬っぽい香り。乾物だからかあまり強い香りはしないけど、ハーブというかアロマというか、さわやかな清涼感のある香りで、嫌いなにおいではない。
 これを一升のホワイトリカーで漬け込む。最初は薄茶色の液体だったのが、二時間ほど経過すると黒々とした暗褐色の液体になった。これから二週間ほどつけ込んだら生薬は取り出し、砂糖やハチミツを加えて味を調え、さらに二ヶ月くらい寝かせると飲み頃となりひとまずの完成となる。さらに1年くらい寝かせると味がまろやかになるらしい。
 生薬が3200円。ホワイトリカー1.8リットルが1200円くらい。ハチミツはピンキリあるけど、100グラム500円で計算。氷砂糖200グラムは100円とする。トータル5000円くらいのコストがかかる計算になる。できあがる薬酒は多分1.5リットルくらいだろう。(生薬に吸い込まれて減ってしまう分があるから)。1リットルあたり約3300円。ちなみに養命酒は1リットルで1600円くらい。最高級純米酒は一升で5000円くらい。
 そう考えると周公百歳酒はかなり高価な薬酒に思えるのだけど、更生堂薬局のおばちゃんいわく、「養命酒は生薬の量がほんのわずかしか入ってないのよ。周公百歳酒のほうがずっと薬量が多いし、効きめもすばらしいですよ」とのこと。養命酒は14種類の生薬が入っていて、そのうち5種類は周公百歳酒にも入っている。
 薬酒は毎日少量ずつ飲みつづけてはじめて効果が出るものなのでコスパは重要だと思う。「一回20[ml]を一日二回服用せよ」とあるんだけど、毎日40mlずつ飲んでいくと1500mlは37日分。つまり140グラムの生薬は約一月分の薬酒をつくることができる量なのだな。本気で飲み続けるならけっこう高くつきそう。

 生薬の取説には次のように書かれている。
引用開始:
二千数百年前の東周時代の名君主、周公旦が愛用し長寿を全うしたと伝えられているため、周公百歳酒と言われていますが……(中略)……当薬局では故石原明先生(横浜市大医学部、医史学博士)にご指導いただき、30年ほど前より老化防止の薬用酒の原料として多くの方にご愛顧いただいております。
引用終了:
 30年前から販売されているってことは、その昔、この薬酒は注目を集めた時期があったのかもしれない。石原明先生はウィキペディアに書かれていて著書も多数。だけど56歳でお亡くなりになっていた。えっ?
投稿者: 大澤義孝  | 健康酒

2015年06月03日

梅シロップだの薬酒だの

 また梅仕事の季節がやってきた。今年の梅は店にならぶのが遅いみたいだ。今日はさっそく梅シロップを漬けた。夏に向けての薬もかねている。梅シロップは梅と同量の氷砂糖をいっしょに漬け込むだけで簡単にできるのだが、コツを知らないとけっこうな確率で失敗する。発酵して味が悪くなる。発酵を押さえるためにいくつか裏技があって、酢やホワイトリカーを少量添加してそれらの防腐効果を利用する方法。梅にフォークで穴を開けたり、梅を凍らせたりしてシロップが採れるまでの時間を短縮して発酵する時間を与えないという方法もある。しかしもっとも簡単で、おいしく作る方法は、今この時期に作ることだ。理想的には5月末までに、遅くても6月節入り前には仕込みを完了するようにする。そうすれば、変な裏技を使わなくても梅と砂糖だけでおいしくできる。梅酒や梅干しは、この時期をはずして6月中旬くらいでも充分まにあう。

 今年は梅酒も仕込む予定だけど、杏入りの梅酒にするかとか、余った杏であんず酒も作るかなどと考えているうちに、薬酒を作ってみたくなった。薬酒とは養命酒みたいなものね。18種類の生薬をホワイトリカーにつけ込んでつくる周公百歳酒というのが有名。問題は生薬の入手で、通販で買えるとはいえ、店によって値段が大きく違う。安いほうがいいけど、薬効が弱くて安いだけなら意味がないし、薬なのであまり信用おけない店で買うのもどうかという気がする。
 ものはためしと近所の漢方薬屋さんに出かけた。店先のショーウィンドウの中に、朝鮮人参を漬け込んだ瓶や、えたいのしれない骨を砕いたようなもの、マムシの黒焼きとか、木の根っこみたいなやつとか、あやしい生薬が並んでいる。この店はこれまでに一度も入ったことがない。ずっと漢方薬屋だと思っていた。
 店に入ると、無愛想な薬剤師が出てきて、「なんでおまえがこの店に入ってくる???」といった顔をしてたっている。私はまだ一言も発していない。薬剤師は無言。
 手短に「薬酒をつくりたいんだけど、どうよ」って尋ねたら、薬剤師は開口一番、「うちは漢方薬扱ってないんで」という返事。「えっ?、じゃあ、ショーウィンドウのあれはなんなのよ?」って尋ねたら、「あれはディスプレイだからぁ……」。
 わかったよ、もういいよ、正直すまんかったよ、この町に期待した俺がバカだったよと店を後にした。
 中華街の漢方薬屋に行けば手に入るはず。
投稿者: 大澤義孝  | 健康酒

2014年07月03日

今年も梅シロップができた

 6月頭に仕込んだ梅シロップが完成した。梅と氷砂糖だけで作る飲み物。夏ばて防止の薬。梅が店頭にならびはじめたらすぐに仕込み、夏が来る前に完成させる。梅シロップは時々失敗して発酵してしまうことがあるんだけど、暑くなるから失敗するのね。だから仕込みの時期が重要で、五月の小満ごろに仕込み、七月の小暑が来るまでに作り終える。
 6末にはあんずが店頭にならんだ。あんずは一週間ほどしか店頭にならばないのでみつけたらすぐに買う。これであんずジャムを作る。いちごやブルーベリーやキウイなど色々なジャムがあるけど、あんずジャムは別格。味がとても深い。料理の隠し味にもなる。
 梅もあんずもバラ科の仲間。梅酒をつくるときあんずを一粒まぎれこませておくと、とても香り豊かな梅酒ができる。ただしあんずは梅が終わりのころに出回るので、タイミングをあわせるのが難しい。

 気学をやってると二十四節気にも敏感になる。町で季節の移り変わりを感じるのは、店頭にならぶ果物や野菜。ハウス栽培のせいで、季節感がなくなっている作物も多いけど、それでも商店街の八百屋をのぞくと季節を感じる。

 近所に新しくコンビニができた。といっても家のまわりにはコンビニが乱立している。五軒以上あるはず。
 コンビニは本来は個人商店があきなう和菓子とか洋菓子とか、焼き鳥とか、お総菜とか、文房具とか雑誌とかたばことかなんでも売ってる。便利なんだけど、それは商店街をどんどん疲弊させていくようだ。閉店した店も多い。そして近所のスーパーまで閉店してしまった。これは痛い。コンビニはスーパーの変わりにはならない。
 巨大資本をもつとこばかりがのしてきて、小さいところは次々つぶれていく。小さな店の品は、自家製ならではのよさがあったり、独自ルートから仕入れたよい品を扱っていたりもする。コンビニや巨大スーパーの品は、均質ではあるけど、品質は一段低いしそのくせ割高だと思う。
 弱小企業や個人経営を次々つぶしていく今の潮流ってほんといやんなるなぁ。でも便利さに負けるんだよね。その果てには、ものすごい不便がまってるかもしれないのに。
投稿者: 大澤義孝  | コメント(2)  | 健康酒